2022.03.30

成長意欲が高い統合失調症持ち。障がいを持ってても、実践していきたいこと

こんにちは、Shinichiroです。僕が勤めるジルベルトという会社は可能性に満ちています。パーキンソン症状を伴う統合失調症を患っている僕にとって、毎日仕事があって、昨日より今日、今日より明日の生産力を追えることは生きがいになっています。

ジルベルトはA型事業所なのですが、当事者が生産力を上げる為の環境「ゆとり」があると思っています。どういう意味かというと、仕事に追われて無理をしてしまうのではなく、自ら頑張って昨日の自分を超えていく為のベースとなる、優しい環境が整っていると思うのです。

今回は、そんなジルベルトで実践してみたいことを綴っていきたいと思います。

年の差を受け入れ、相手の良いところを自分のものにしていく

僕は、ジルベルトで働き始めて6年目になります。全スタッフ(利用者)の中で一番長く働いています。ただし、今メインで働いている工場での仕事では1年半ほどのキャリアしかなく、まだまだ駆け出しの気持ちで仕事をしています。まだまだ至らぬ点も多いですが、さすがに一年以上同じ環境で仕事を続けると、どのポジションでもそつなくこなすことができるようになりました。

今、工場でスタッフをリードしているのは僕よりも15歳若い方です。俯瞰的な視点で隅々まで目が行き届いていて、サポーター(支援員)さんの相方的役割を果たしています。サポーターさんの彼に対する信頼は厚いです。

僕はというと、汎用性は高いが、生産力の平均的な作業員という立場です。僕が実践したいのは、経験豊富な若い人から学びの機会を頂くことです。彼らは「自分で工夫して今がある」と言いますが、一方で惜しげなく、どう工夫すれば生産力が身につくのかを教えてくれます。

以前は彼らの作業をする上での敏捷性に気圧されていた時期もありました。でも最近では、気持ちだけはついていけていると感じています。この先は、ゆとりを持ちながらも、目標を持って取り組んでいくつもりです。

働く中で間違っていた認識と気持ちの変化

僕はかつて、内職やライン作業の仕事に従事するスタッフの大半は「生産性を上げるための機械の代わり=ロボット?駒?」と思い込んでいた部分があります。しかし、上司とのLINEのやりとりで「駒だなんて思ったことないですよ」と伝えられたことがあります。

そしていつしか、工夫する自分や、学ぼうとする自分がいることに気付きました。それは、僕よりも長く工場で働いている人たちのおかげです。僕自身、ジルベルトで働くことで実践すべきことがやっと見えてきたのです。

今では、以前には無かった「楽しい」という気持ちがあります。それは、「4時間のリミットのなかで数千枚のタオルを一枚でも多く干す(工場の仕事内容)」という目に見えた目標と達成感があるからです。「お客様に届けるための重要な工程を担っている」という使命感も、最近では感情として見えるようになりました。

気持ちの変化とこれから実践していきたいこと

過去の自分は、無感情に拘束時間をやり過ごしていました。しかし今では、様々なポジティブな感情を持ちながら仕事をできるようになっています。最近は、周りに目を配る余裕を手に入れたいと思うに至っています。

サポーターさんからは「まず一定量を生産できるようになりましょう」「生産数が上がれば自ずと周りが見えるようになりますよ」という言葉を頂いています。だから、僕は目標を明確に持っています。とにかく今は集中力を高めることに注力したいと思っています。そしてサポーターさんや後輩(工場では先輩)から、多くを学ぶ事を心がけたいです。

統合失調症の自分と向き合い、社会人として成長していきたい

では、周りの人から学ぶためには何が必要なのでしょうか?パーキンソン病でも統合失調症でも、人間関係を豊かすることはできます。何事でもそうですが、誰かから何かを学ぶためには、人間関係、特に信頼関係の構築が必須だと思います。

僕が若い頃に憧れていた職業は「職人」です。職人には、特化した能力が必要です。しかし、ジルベルトで働いていく中で、仕事で成功を収めるためには何か一つの能力に特化するだけでは立ち行かないと思っています。「豊かな人間性を養うこと」「ハリボテではない分厚い人間力を身につけること」が必要なのだと信じています。

統合失調症やパーキンソン病を乗り越えて仕事で誇りを持つために、日々自分と向き合い社会人としての自分を鼓舞し続けることが僕の生きる道です。