2022.01.31

生きる手伝いをして欲しい。障がい者への適切な接し方とは?

こんにちは、Shinichiroです。今回は、障がい者が「どう接してもらいたいのか」という本音の部分を書いてみます。

今僕は、地域で欠かせない人として接されている

僕は今、ジルベルトでの仕事を通じて「地域の立派な一員」として接してもらっています。健常者と接する機会について、実際に体験したことを一つ紹介します。

ジルベルトでは、毎日の地域清掃の業務があり、スタッフ(利用者)がシフト制で従事しています。その際、地域住民の方から「いつもありがとう」「ご苦労さん」と声をかけてくれるのです。それはとても嬉しいし、心が温かくなります。

そういった経験をしたおかげで、僕の自宅周辺の清掃員(おそらく定年を過ぎたおばあちゃん)に対しても、日頃から声をかけるようになりました。すると、いつも明るい声で「いってらっしゃい」と返してくれるのです。仕事を通じて、コミュニケーションの大切さを知り、人間性が育まれました。

上司からの接され方としては、厳しくも的確

上司からは、社会人としてのマナーやルールを教えられています。

  • 仕事中は敬語を使うこと
  • 物を雑に扱う人は、人にも雑に扱われる
  • お客様あっての仕事なのだから、責任感を持って仕事に従事すること

などの言葉が印象に残っています。厳しく接されることもありますが、どれもはっとする教えです。

職場でも家でも人との関わり方に苦労した

障がい者としての接され方について、これまでの人生で苦しいと思うことはありませんでした。しかし、人と関わることで苦しかった経験はあります。ぼくの障がいは、目に見えません。(統合失調症とパーキンソン)そのため、家や病院、会社以外では障がい者として接されることはありません。しかし、人と接する中での不都合は少々あります。

例えば、僕は人に背後で動き回られるのが凄く苦手です。これは、前職で生まれてしまったトラウマによるものでしょう。過去には「職場」や「家庭」ですら苦しかった時期がありました。障がい者として差別に苦しんだというよりは、只々生きることが辛かった経験です。

このコラムを見ている人の中にも、僕と同じように病名のつかないトラウマを抱える人達は多くいるのではないでしょうか。今僕が障がいを過度に意識せず心が満たされているのは、「障害」を取り除いてくれるジルベルトのおかげです。

今、チャンスをくれる人たちに感謝している

僕は現状、健常者の方や福祉のプロである会社の職員さんからの接され方に満足しています。なぜなら、僕はジルベルトで「チャレンジすること」の価値を学び、成長できた手ごたえがあるからです。そう接してくれた人たちに感謝しています。

僕は、6年間働き続けたことで、ささいな信頼を得ています。障がい者としてではなく、いちスタッフとして任された仕事があり、とても嬉しかったです。具体的には「非接触体温計を販売するための営業用の資料」や、2021年8月2日に移転した弊社オフィスの「移転のお知らせハガキ」などを作りました。自分の希望する仕事を任せてくれることで、「健常者と同じ目線で仕事ができている」と感じ、上司の「共に会社の経験値を生み出そう」としてくれる接し方に感謝しています。

ジルベルトという会社は、障がい者と健常者の「垣根を越えた社会」を創ろうとしています。僕もジルベルトの一員として世間から暖かく接してもらえるよう、真摯に働いていこうと思っています。

障がい者と接する時には否定的にならず寛容に接して欲しい

健常者の方は、障がい者に寛容になって欲しいと思っています。それは、障がい者には「頑張るだけでは乗り越えられないものがある」という現実があるからです。僕にはどうしても克服できない「音への恐怖心」があります。病院や薬では治らない障がいです。なぜなら、僕には「音」に対する処理能力の限界があるからです。今のままだと、自ずと選べる環境が少なくなります。

例えば、自分の背後(死角)からの突飛な物音などには、本当にその場にいられないほど、拒絶反応が起きます。解決する方法は、ただ一つ「理解ある健常者に職場環境の配慮をしてもらう」ことです。就職活動をする際にもこの条件は必須になってくるでしょう。

この「どうにもならない部分」を理解して接してくれるかどうかで、障がい者の生きる道にあかりが灯るかどうかが決まるのです。ですから健常者の方にも、どうか「生きる手伝いをしていただきたいな」と思っています。